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みんな不安は一緒!新しい環境での馴染み方と不安との向き合い方

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美容領域への転職、皆さんはどういうイメージでしょうか。
未経験だと厳しいのかな?
病棟とのギャップで辛いかな?
そもそも自分にはあってるかな?
いろんな不安がありますよね。新しいことに挑戦しようというときには、どうしても不安が過ぎるものです。そんな自分とどう向き合うか、新しい職場で早く馴染むための方法などをお話しします。

木村 好珠(きむら このみ)

精神科医・産業医・スポーツメンタルアドバイザー。
メンタルクリニックでの勤務、14社の産業医、サッカーや野球などトップアスリートへのメンタルアドバイス、アカデミー世代へのスポーツを通じたメンタル育成を行う。
1人でも多くの笑顔が生まれるよう日々奮闘中。
著書に『メンタル弱いままたのしく生きてく(サンマーク出版)』『スポーツ精神科医が教える日常で活かせるスポーツメンタル(法研)』『人づき合いがスーッと楽になる コミュ力アップの法則(法研)』など。

転職は悪いことじゃない!

転職の相談中

まず、大前提として、転職は悪いことじゃないことをお伝えしたいです。
転職に対して後ろ向きな声を耳にしますが、理由として一番多いのが「看護師は、入って3年は同じところに勤めないと…」や「病棟でしばらく経験を積まないと看護師として良くないって言われる。」という呪縛。その呪縛によって、転職したいのに一歩を踏み出せない声をよく耳にします。
でも、もし今これを読んでいる人が「私は美容ナースに挑戦したいんだ!」という気持ちを持っているのだとしたら経験年数に関わらず、その声を尊重すべきだと思います。自分の好きなことがわかっている、やりたいことが見つけられているってすごく貴重なことなんです。

そもそも、その“何年やらないと看護師としてだめ”ってなんの基準なんでしょうか。資格取るには何年かかる、というような決まり事は仕方ありません。でも、例え1年でもすごく真剣に取り組んだ場合と、お金をもらうためだけにという気持ちで取り組んだ場合、得る物は全く違いますよね。だから、誰かも知らない人が言ったその言葉より自分のやりたい気持ちをぜひ大事にしてほしい。

気持ちがあまり向かずに病棟で過ごす1年より、自分の好きな美容クリニックで過ごす1年ははるかに有意義なものになるし、仕事だけではなく、自分の気持ち全てが前向きに向くと思います。
大人になると、どうしても起きている時間の大半を仕事が占めます。その時間をいやいや過ごすより、やりたいことで意欲的に行動する方が魅力的だと思いませんか?

できないことがあるのは当たり前!

不安を感じているイメージ

そうは言っても、経験ない私にできるのかな?と不安になる方もいらっしゃると思います。でも、安心してください。誰しもがはじめての瞬間はあるものです。入社してから思っていたのと違う!とならないためには、なるべく準備をしておくことが大切です。
準備とは、今までとの違いを理解し、自分が勤務し始めた時にどう行動していくかをあらかじめイメージしておくことです。

美容クリニックと病棟の違いをいくつか確認しましょう。まずは、施術で患者さんと向き合うため、コミュニケーションをとる時間が多くなります。このコミュニケーションに不安を感じる方も多いようです。
そういった方は、施術の内容について説明したり、自分がやって良かった美容法についてお話ししてみてください。治療にくる方は、綺麗になりたい気持ちを持っているので、共通の興味である美容についてのお話は皆さん楽しんで下さいます。もし、すごく詳しい患者さんだったら、「一番良いと思った施術教えてください!」と逆に質問してみるのも良いでしょう。

また、看護師さんが施術を積極的に勧めて、施術とともに”営業”を同時にするようなクリニックもあります。昔はカウンセラーさんをおくところが多かったのですが、経費削減もあり、看護師さんがカウンセリングまで行うところが多くなりました。患者さんに高額なものをすすめるのがどうしても苦手…という方をお見かけします。実際私もそこに悩みました。
しかし、その時に消極的にならず、この患者さんに綺麗になってもらうための情報提供!と割り切ることも大切です。最終的にやるかどうかは患者さんの判断ですし、綺麗になるための情報を渡すことは患者さんにとっても有益な情報だと考えましょう。それに、躊躇する気持ちがある方は、患者さんのサイドにも立てる方です。ですから、その方の金銭面など含めた納得のいく施術を一緒に選んであげることができると思います。

職場での看護師さん同士のコミュニケーションについては、むしろ病棟よりも良かったように感じました。夜勤があって、命と向き合う機会が多く、緊急性の高い病棟はどうしてもストレスが溜まりやすく、時には強い口調になってしまう方もいらっしゃいます。その点、美容クリニックは時間も決まっているのでライフワークバランスも取れやすく、患者さんと同様にみんな美容が好きで、最初から共通の話題があるため、会話も弾み、楽しく働けている印象です。
初めての環境に馴染むのは、誰しも緊張しますし、最初は覚えることも多くて、心身ともに疲労が溜まります。でも、それは当たり前のこと。頑張っている証拠だし、真剣に仕事しているってことです。先輩と比べて、あれができない、これができない…と焦ってしまうかもしれませんが、先輩はたくさん現場をこなしてそこまでできるようになっているんだから、最初からそこまでハードルをあげる必要はありません。1日1つでもできるようになったことを自分で見つけていきましょう。
人間は、マイナスな感情に目が行きがち。忙しかったり、落ち込んでいると尚更引っ張られます。大人になると、残念ながらなかなか周りは褒めてくれません。だから、自分でちゃんと自分を認めてあげる。これは自分に甘いのではなく、努力した事実を認めてあげられる、自分を見つめられているってことです。

人間の悩みの9割は人間関係?!

コミュニケーションが重要

「嫌われる勇気」という本がベストセラーとなり、一躍有名になったアドラー心理学。この心理学を唱えたオーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー氏は、人間の悩みは10割人間関係であると述べています。実際診察していると、職場のストレスで来院した方でも、本当に自らの過労のみでメンタルがダウンしてしまった人は本当に少数派で、ほとんどの人が、上司と折りが合わないことや、同僚とうまくいかなかったなどの人間関係に由来しています。
これは、美容業界でも同じことです。特に美容ではお客様とのコミュニケーションも多いので、心地よく働けるかどうかは、能力以上にコミュニケーションが重要になります。コミュニケーション苦手!という方は新しい職場に馴染めるようなコミュニケーションの要点をまとめますので参考にしてくださいね。

まずはできることとできないことを言語化できていること。コミュニケーションをとる大前提がこれです。自分のできるできない、得意不得意がわからないままでは、自分も相手もどうして良いのかわかりません。ですから、まずは自分の能力の分析から始めましょう。
2つ目はちゃんと質問できること。これは何年目になっても大切なことです。わからないことは人に聞く。当たり前に聞こえるかもしれませんが、これができる人は意外と少ないんです。理由として、皆忙しそうでなかなかタイミングが掴めないということが挙げられます。美容クリニックでは、施術や会計、その他いろいろなことを看護師さんが行う場合があり、任される仕事の割合が多いため、バタバタしていることも多いでしょう。だからと言って、わからないことをそのままにするのはその後のインシデントに繋がりかねません。タイミングがわからないときは「お時間よろしいでしょうか?」と枕詞をつけて聞けば、例えその場で答えられなくとも、ちゃんと対応してくれるはずです。
3つ目は自ら行動してみること。2つ目の質問もそうですが、何か質問ある?と聞いてくれてから質問する、言われたことだけやる、となってしまうと勿体無いです。陰で勉強していたとしても、自分の中に秘めていては、なかなか人には伝わりません。

それに前述したように美容クリニックは、施術から会計までやることが多岐に渡るため、スタッフが忙しい場合も多いので、受け身だけだとなかなか学ぶ機会がありません。施術を学ぶために一番有効なのはなんと言っても経験を重ねることです。
例えば、フェイシャルの施術の前に髪の毛をターバンでまとめるという1つの作業だけ見ても、実はすごく難しくて、そういう細かい部分から慣れているかどうかが相手に伝わったりします。ですので、積極的に練習させてくださいと声をかけてみましょう。
自分の実力upにもなりますし、(頑張っているな。)と感じてもらえたら、なかなかコミュニケーションが得意ではない人でも、相手に意欲が伝わって、親睦が深まるものです。

自分の心を守るためには、バウンダリーを意識する

パーソナルスペース

職場が変わっていろんなストレスがかかる中、なるべく自分のメンタルをフラットにして仕事に集中したいですよね。そんな方に、自分でメンタルを安定させられるための思考術をご提案します。
心理学用語である”バウンダリー”という言葉をご存知でしょうか。これは、“自分と他人の境界線”という意味です。さらに詳しくいうと、“どの範囲まで自分の責任とするか”です。具体的に“バウンダリーが曖昧な人“とは

・嫌われたらどうしようと、他者の要求を断れなく、なぜか人より仕事をこなす
・それにも関わらず、自己表現が苦手なため感謝もされることも少ない
・人の悩みを自分も一緒に悩んで、自分だけ真剣になって損をする
・人の気持ちをもらいやすい

結果、自分で自分を苦しめる結果に。つらい時でも、自分が頑張るという選択肢を選びがちで追い込まれてしまい、私って何しているんだろ…とマイナスな気分に。バウンダリーが曖昧になってしまうと、本来は自分が悩まなくても良いことまで考え込んでしまい、他者に振り回されやすくなって必要以上に疲弊してしまう可能性があるんです。これってすごく勿体無いですよね。
逆にバウンダリーがはっきりしていると、自分自身を守ることができるので、心の安定につながります。周囲の人と適切な距離を持てるので、他人によって心が疲れたり乱れることが少なく済み、みんなと程よい距離で接することができるので揉めることが減って人間関係でのストレスが軽減します。
この境界線をはっきりさせるには、“他人の機嫌は自分には決定権がない”と“私の機嫌は私でとる”の意識が重要です。どんなに一緒に悩んでみたり、上司の機嫌を取ろうとしても、自分がいない間になんか相手はスッキリしているって経験ありますよね。人間の感情っていろいろな要素が絡み合っているので、結局その人にしか変えられないんです。
そして、機嫌がコロコロ変わったり常に愚痴を言う人の性格が変わることはなかなかありません。その時に自分が関わって雰囲気を…と思っても、かなり難しいことです。
なので、そういう時は、その人の機嫌は変えられないしな、と距離を保つことも大切です。逆に自分が何かで苛ついた時も、自分の機嫌を自分で取ろうと意識してみてください。好きなスイーツを食べたり、推しの動画をみたり…自分の機嫌を取れるものを用意しておくと、人に当たることなく、職場内でより良い関係が築けると思います。

新しいことでのチャレンジは、勇気がいることですが、楽しい未来を思い描いてその一歩を踏み出してみましょう!

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